何処に忘れてきたんだろう。何処に忘れてきたのかも忘れてしまった。温度が下がったからか冬の入り口の季節を思い出す夜。

何時忘れてしまったんだろう。何時忘れてしまったのかすら思い出せない。開け放った窓からの風で激高してる体温を下げて。何度こんな状況を繰り返して何度やり過ごしたんだろうと。指折り数えて。笑うしかねーなと笑えもしないのに思ってため息ひとつ。

愚かだねえ。愚かだよ。
馬鹿だねえ。馬鹿だよ。





叫び出したい気がするけどきっとキノセイで大声で泣き喚きたいけど多分カンチガイ。そうやって嘯いてばかりで。この先もそうでしかない気がする。 そういう性質だからもあるし、素直じゃないからだと言われればそうなんだろうけど。それを望まれてるからそうするんだよ、なんて高飛車ですか?でも実際そうだよね、そうじゃない?違う?違わないんじゃない?なんて横っ面張り飛ばされたら涙が飛び出るみたいに反射的に思ってしまったりする夜。そういう時はきっと何をやっても何を考えても駄目なんだけど。


止まらんのだから仕方ないわ。
こういう自分と付き合ってくしかないんだから仕方ないわ。
付き合ってくのが嫌なら死ぬしかない訳だ。
もしくはレーザービームで記憶中枢破壊するしかない。


物理的に詰んでて、メンタルも詰んでる割に楽観的なのは少なくとも一度は「死んだ後の事なんざ知ったこっちゃねえ」っていう処までいっちゃったからだと思う。0から1にするのは難しい。けど1から2にするのは然程困難では無い。一度其処までいっちゃってるともう一度其処までいくのは簡単。それより先に進むのも「死んだ後のことなんざ知ったこっちゃねえ」なんて考えを持つよりは難しくは無い。そこまで生きる事に貪欲でも無いし執着も無い。だって圧倒的に死ぬ方が楽だから。死ぬのは大変でも死んだ方が楽だからだ。


でもそんなでも生きようと思った時期もあった。
そんなでも生きたいと思った時期もあった。
奮い立たせて奥歯噛み締めて思った時期もあったし
目の前が開けて息を吸い込んでいっちょやるかー!なんて明るく
明るく思った時期もあったんだ。


嘘みたいだけど。


どうすればいいのかは解ってる。経験が無い訳じゃない。何から始めればいいのかは解ってる。過去に経験した事だもの。だけどそれが何故出来ないでいるんだって考えたら欲求が勝ってるからだと思う。少なくとも経験から知ってる道しかない訳ではないけど、まあ正しいであろうと言えるチョイスなのに選ばないのは、欲求が勝ってるから。単純にボクは強欲なんだって。欲が深く我侭で身の程知らずなんだって。


言葉にしなきゃ解らんし
言葉にしなきゃ伝わらん。
だけど言葉に出来ないものはどうすればいいんだろう。

何で言葉に出来ないの?
努力が足りないの?


努力してるから言葉に出来ないんだ。
努力してるから言葉にしないんだ。

それは奢ってますか?


そうして叫び出したい言葉たちは何時もロバの耳の穴へ落とし込む。
繰り返し繰り返し、何度も何度も喉かきむしって擦り切れて血まみれの息と混じって吐き出される言葉たちは遠い場所に放り出されて。読み返す事は無く閉じ込められて。誰も知る事が無いまま腐っていくか保存されて。何時までも何時までも消えないでいる。


まだまだ甘いよ。まだまだ頑張れるだろ。
まだまだ甘いよ。まだまだ頑張れるだろ。
何度も何度も繰り返して何度も何度も言い聞かせて何度も何度も嘯いて。
もうええやろ。もう十分やろ。
もうええやろ。もう十分やろ。
何度も何度も繰り返して何度も何度も言い聞かせて何度も何度も嘯いて。


もうさ、誰かが決めてくれないかなってね。誰かに丸投げして決めて貰って。
それに乗っかってそれがもう答えでいいよってね。
部屋の隅っこで膝抱えて泣きそうになって泣けないで笑顔なんだか我慢してるんだか解んない不細工な顔してこっち見てる痩せたクソガキが言ってる気がして。でもその誰かだって誰でもいい訳じゃなくって。結局スタート地点に戻ってしまう。馬鹿だろ。馬鹿だよね。ホント馬鹿過ぎだろ。歳考えろよ。そんな事考えていい歳じゃないだろ。許される歳じゃないだろ。甘えていい歳じゃないだろ。


満足に笑顔すら作れなくなったか、と思っても
誰にもバレやしないんだから便利な体質。


でも多分とっても、損で、無駄な強さだ。



無駄に丈夫、にはお似合いってか。ハハハ。


理にかなわない事は嫌いで、無駄な事はしない主義。誰かは良くて誰かは良くないなんてダブルスタンダードは許さない。感情に振り回されるなんて気がのらないし、計算が出来ない事には関わらない。常に前向き、生きる事に貪欲で、理由を知るのを諦めたりなんかしない。


そんな時期があったなんて
ホント、今まだ死んでないのと同じ位に
嘘みたいだ。