今は色あせた写真のように思い出せるようになった。あの頃を切り抜けたんだから今回だって切り抜けられるはず。まだまだあたしは甘い。まだまだ頑張れるはずだ。まだまだ甘えてるんだ。頑張りが足りないんだ。あの頃を切り抜けられたのに今回は切り抜けられないなんて甘えでしかない。




色々疲れきって不具合が出始めた。そろそろどうにかしておかないとぶっ倒れるハメになる。綺麗に死ねたらいいけれどそうもいかないのが世の常だ。古い知り合いの友人の妹が亡くなったらしい。若すぎる年齢を聞いて申し訳なくなった。高飛車なつもりも傲慢なつもりも無いけど代われるもんなら代わるんだがなと心底思った。自分より若い人の死は何度聞いても慣れない。自分と同じ年齢の死には慣れてきた。若いなと思っても慣れてきた。歳とったんだなあと思う。




信頼できて信用できても其れはある一定の条件下でのお話。
条件がクリアされてない場合信頼も信用もできないって答えが必然的に出る。
人はそれほど強くない。
だからボクも強くない。



ただ甘えてるんだなーと。
甘えて、贅沢なんだなと思う。


頑張れるはずだとか、頑張らなきゃとかじゃなく。
甘えるのを辞めろって、それだけの単純な話。
答えは見えてる。答えは解ってる。
それはもう随分前から見えて解ってた事。

それを卓袱台ド返しにして抗ってどうなるんだろう。
鳴けないまま、アデル・ユーゴーのようになりたかったんだが。
鳴けないままなのに、アデルのようになれないままだ。



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賭けをしよう。
小さな賭けだ。
賭ける位だからどうなのかは解っているはず。
賭けをしよう。
小さな賭けだ。

怖いけど、きっとそうなる。