聞き分けのいい子供だったらしい。
その分聞かないとなると全然駄目だったらしい。
静かに静かに聞き分けよくいい子を演じて我慢を覚えて。大人がどういう子供には寛容なのか知っていた。どうすればそつなく生きられるかは知ってた。

本能だと思う。

思うにボクは多分放置子だったんだろう。
親が毎日家に居ても放置されている子もいるし、文字通り放置されてる子もいるけど、
多分放置子だったんだろうなあと思う。






母親が予想外な方向に老いて、父親も予想外な方向に老いた。
ボクも予想外な方向へ行く可能性が無い訳じゃないんだと思う。
じゃあ予想通りな方向って何だろう。
ボクを多少なりとも知ってる人や、
よく知る人のボクに関する予想って何なんだろう。


あたしの幸せは誰かに決めて貰うものじゃないし
決められるものでもない。
誰かの為に、なんて言い訳でしかない。
それしか選択肢が無かった、か、それを望んでただけだ。
誰かの為になんて綺麗事で飾っていても自分がそれを選んだ。
誰かの為になんていう聞こえがいい言葉で誰かのせいにするもんじゃない。

自分が選んだんだ。
自分がそうしたかっただけだ。
自分の選んだ道だもの。

誰かのせいにしない代わりに、自分の好きにしただけ。





繰り返し繰り返し思うんだ。
子供の頃からトロくて、ぼんやりしてて、でも変わらずに思う。

人間に平等な事は2つあって、
一日は物理的に24時間だという事と人は必ず死ぬという事。

認めるのも難しいけど、
それより難しいのは認めて生きてゆくという事。

人は生まれてくる時簡単には生まれてこないんだから、
簡単に死んじゃいけないんだって事。

人間は綿密に計画立ててその通りにしたとしても、
死ぬ事だけはそうはいかないって事。

1回しかない人生だから自分の好きにしなきゃ損だけど、
先人が言う事には何でも大抵、一理はあるという事。



それを踏まえても、今のあたしは結構幸せだと思う。
何時死んでも、死ぬ瞬間にありがとうって言えるなあと思う。